「インセプション」が分かる!独特の設定を徹底解説【ネタバレなし】

「インセプション」(2012)は難しい…

クリストファー ・ノーラン監督による「インセプション」(2010)は高く評価されているSF作品です。しかし、その複雑なストーリーに「見たけどよくわからなかった…」と言う方も多いのではないでしょうか。
さらに「複雑だ」と聞いているからこそ、見ることを尻込みしている方もいる方も。今回は「既に見た」と言う方も「これから見る」と言う方も「インセプション」をより楽しむために、その映画の設定についてご紹介します。

既に見た方は理解が正しいかどうかの確認のために、これから見ると言う方は設定を把握してから見ることで、より作品を深く楽しむことができるでしょう。

夢はその人の考えていることが分かる場所

まず大前提の「インセプション」の設定として、夢は潜在意識が現れる場所というものがあります。夢はその人の想像上の場所なので、その人が考えていたけれども実際には行動に起こせていないことを、自由に発生させることができます。さらに想像の世界なので、実際にはありえないストーリーや、非現実的な構造を持つものも実現させることができます。言ってしまえば物理法則も自由に捻じ曲げられるのです。

つまり夢はその人が考えていることが簡単に実現させられる場所だということです。夢の中ではその人の願望が、物理的な形やストーリーとなってそのまま現れます。

他人の夢に入ることができる

「インセプション」独特の設定として、他人の夢の中に入ることができる、というものがあります。

皆さんも小さい頃に他の人の夢に入ることができたら、と考えたことがあるかもしれません。「インセプション」ではそれが実際に可能になっているのです。

しかし劇中でも、どんなに時にでも自由に他人の夢に入れるわけではありません。夢を共有したい人と特殊な機械を接続し、すぐ隣で眠りに入る必要があります。世界の裏で寝ている人といきなり夢を共有するのは不可能です。

さらにもう一つ。夢の舞台は、他の人が設計できます。つまり自分が設計した夢の舞台に、ほかの人を呼べるのです。そして呼んだ人はその舞台の中で動きます。
舞台に大都会を選べば、大都会風の夢を見ます。舞台に雪山を選べば、雪山を使ったストーリーになります。では舞台の中に重要そうな金庫を設置したら、どうなるでしょうか?なんと呼ばれた人はその金庫の中に、重要な情報を置くようになるのです。

つまり設計次第によって、ある程度は他の人の夢を左右することができます

重要な情報を盗み出すことができる

先ほど金庫の例えを出しましたが、これを利用して夢から重要な情報を盗み出すことができます
自分が開けられる金庫を舞台に設置すれば、他の人がそこに大事な情報を預けます。しかし自分は開けられるので、好きなように他の人の情報を見るようになるということです。

これを悪用すると企業秘密を盗み出すことも可能になります。そしてこれこそが主人公の職業です。主人公は世界でも数少ない、夢から企業秘密などを盗み出すスペシャリストとして名を馳せている人物なのです。

「インセプション」の世界でもこのような職業はあまり知られていないようです。ですが政府や一部の大企業の幹部などはそういった手口を熟知しており、このような情報の漏洩に対して守るトレーニングを施している模様です。「インセプション」では、主人公はこのような対抗措置に対する戦いも強いられます。

アイデアを自然に植え付けること=インセプション

以上の話は全て、アイデアをどう盗むのかという話でした。しかし「インセプション」で展開されるのはアイデアをどう盗むかという話ではありません。劇中でのインセプションとは、アイデアを夢を通して他人に自然に植え付けることであり、主人公はこれに挑まなくてはならなくなります。

もちろんこれは主人公の専門外のことでした。主人公の専門は夢からアイデアを盗むことです。植え付ける事は専門ではありません。さらに主人公はある理由から、このアイデアの植え付けに対して、否定的な意見を持っています
しかし自分が愛する家族との面会を交換条件に、アイデアの植え付け=インセプションに挑むのです。

夢の中は現実の20倍遅い

「インセプション」の独特な設定のうちの1つに、夢の中の時間の速度は現実のおよそ20倍遅いというものがあります。現実の1分が夢の中では20分、現実の1時間が夢の中では20時間にもなります。つまり主人公たちは、1回夢の中に入ると、膨大な時間を手にすることになるのです。

これは良い点にも、悪い点にもなります。共有する夢を見るためには特殊な睡眠薬が必要で、起きるにはキックと呼ばれる現実世界でのタイマーが必要になります。つまり夢の中での用事が終わったからといって、好きなときに切り上げることはできないのです。

これはきちんと設定すれば武器にもなります。例えば夢の中で悪者に追われ続けている場合、キックの時間を正しく設定すれば現実に戻ることで逃げ切ることができます。しかしキックの時間を誤って設定すると、いつまでも夢の中に留まり続けることになるのです。場合によっては、夢の中で何日間も悪者に追いかけ回され続ける可能性も

主人公たちは、現実世界でも入念な準備を重ね、最適な時間で夢から脱出する計画を立てる必要があります。

夢は階層化されている

もう一つの独特な設定に、夢は階層化されていると言うものがあります。つまり夢の中で夢を見ることができ、夢の中の夢で夢を見ることができ、夢の中の夢の中の夢の中のというように、夢の中で何回も眠ることで夢を何重にも見ることができます。
ただし、いくつもの夢を同時に見ることはできません。意識が存在しているのは常に1番深い夢の中だけです。「夢の中の夢」では「夢の中の夢」しか意識になく、そこから目が覚めた「夢」と「夢の中の夢」を同時に見ることは出来ないということです。

では、夢を何回も重ねてしまうとどうなってしまうのでしょうか?
作中では夢を重ねるごとにだんだんと潜在意識に近づいていき、次第に不安定になるとされています。作中でも三階層が限界でした。
それでも夢を重ねると、最終的には煉獄と呼ばれる潜在意識の果てにたどり着くことになっています。煉獄にたどり着くと、目覚めることは極めて困難。さらには現実と夢の区別がつかなくなり、人はそこで永遠にも等しい時間を過ごすことになる、とされています。

夢と現実を見分けるためのアイテムがある

他人に夢を見させられることが可能になっているため、インセプションの世界ではしばしば今いる世界が現実なのか夢なのかを見分ける必要があるようです。
特に、主人公のような「夢泥棒」にとっては現実と夢を見分けるのは重要なことです。目が覚めたと思ったら、他人によって「目が覚めた」と思っている夢を見させられているだけかもしれないからです。

そこで、トーテムというアイテムを使用します。これはサイコロやチェスの駒など、ポケットに入るほどの小さなアイテムです。そしてその挙動は他の人に知られてはいけません。そのアイテムを転がすと、夢と現実とで異なる挙動をするので、今いる世界の見分けがつくのです。
作中でも主人公たちはこれを大切にしており、今いる世界が夢か現実か、を常に問いながら行動しています。

インセプションの設定のまとめ

いかがだったでしょうか。この記事ではネタバレなしで「インセプション」の設定をご紹介しました。すでに見たと言う方も、これから見ると言う方も設定をおさらいすることで、さらに作品を楽しめるのではないでしょうか。

この記事を読んで少しでも「インセプション」が気になったと言う方は、ぜひクリストファー・ノーラン監督作品「インセプション」を楽しんでみてはいかがでしょうか。